企業の震災時復興支援について

熊本で大きな地震があり、暫く経ちましたがまだまだ被災地では避難所で生活されている方が多くいらっしゃいます。被害にあわれました皆様にお見舞い申し上げるとともに、被災地においては一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。私は阪神大震災および東日本大震災で各地のボランティア活動に従事させていただきました。

□わたしが行った復旧・復興ボランティアやプロボノ
阪神大震災では、数週間現地に入り炊き出し、物資配布、映画上映など幅広い支援をおこない、東日本大震災では企業の震災支援活動の実施サポートをおこないました。東日本大震災に関しましては、復興サポートで地元企業の商品開発から販売のサポートもプロボノで行いました。

□どういう企業がどういうタイミングで震災時に現地でサポートするべきか?
今回の震災が発生してすぐに何ができるかを考えましたが、現時点では募金以外のアクションは起こしておりません。企業の震災復興支援で必要なのは情報。被災地のニーズは日々変化していきます。時間と場所でニーズは異なります。今回は大筋でタイミングと必要な支援をまとめてみました。ご確認下さいませ。

1)発生すぐに支援すべき企業
発生当日には食や住居そして公衆衛生などが重視されます。ですので、震災発生時に動くべき企業は

食品関連メーカー・小売
寝具・アウトドアメーカー
介護・医療関連事業者
次に衣服を紛失した方も多いので、衣料品メーカーもこのタイミングで支援が求められるようになります。

2)避難所での生活を支援するべき企業
つぎに避難所での生活をサポートするものが必要になります。勤務先に移動するための交通手段に関連する企業や教育・娯楽などのサポートが必要になります。このタイミングでは

自動車・自転車・バイク関連企業
教育関連企業
玩具などのエンターテイメント企業

3)復興サポート
最後に経済的な復興に向けたサポートが必要になります。効率化された業務構築や取引先の再構築そして金融機関との折衝などが必要になります。

コンサルティング会社
会計士・弁護士などの士業

先にも書いておりますが、必要な物資やサービスは変わります。常に現地のニーズを見極めるためには、現地の声を聞かなければいけません。まずは現地入りしているNPOや公共団体などの複数の団体にヒアリングした後で、ニーズをおおまかに確認して最終的にはニーズのマッチングの確認で現地入りして確認するべきです。まだ、支援されていない企業様で悩まれているところがあればご相談下さいませ。

ダイバーシティへの対応:女性管理職を増やす前に

ダイバーシティが話題になっています。CSRに携わっているとCSR関連にはホットトピックというものが常に存在しています。環境問題であれば温暖化対策から生物多様性に流れがありました。今では温暖化がベーシックな活動になりましたが、生物多様性の国際会議であるCOPが名古屋で実施された年は各企業ごぞってみな生物多様性をCSRレポートにいれてました。CSRの方はというとCSVが3年前から流行りはじめましたね。その次に国際CSR報告基準の中で取り上げられている人権とりわけダイバーシティが一昨年くらいから徐々に注目されるようになりました。

 

同時期に日本国内の人口動態上の問題でもあるダイバーシティを国策としてとりあげるようになってきました。老いも若きも、全ての性別、別け隔てなく働くことで人口減少に対してGDPを維持できるだろうというアプローチから生まれた政策です。一億層活躍というキーワードで今も現在進行中の政策です。

 

CSRのアプローチでダイバーシティというと

  • 国籍

  • 性別・ジェンダー(性的マイノリティーを含む)

  • 人種

  • 年齢

  • 宗教

  • 出自

などで雇用を阻害してはいけないというものというものです。ああ、そんなのしてませんよ。というのは簡単です。問題はどうやって対応しているかが問題になります。

 

問題は全ての従業員が働きやすい仕組みになっているのか?というところが課題になります。産休の後で復帰しやすいのか?産休は取りやすいのか?育児休暇をサポートする仕組みはあるのか?育児を企業がサポートできているのか?などという具体的な行動計画が必要になります。もっとも厚生労働省が言うところの女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定すればいいのですが、それだけでは本質的な問題は解決できないと思っています。

 

本当にそれぞれの従業員が働きやすい職場なのかを今一度考えるためにステークホルダー・ダイアログを組合とおこなったり、従業員からアンケートを取るべきです。その際により活発な意見を引き出すために先進的な考えも提示していくべきだとおもっています。例えば乳幼児同伴の職場出勤を可能にするなどの取組です。授乳室やおむつ替えができるスペースの確保を率先して行うなどです。

 

進んだ考え方を企業側が率先して提示しないかぎり、自由な意見は出にくいものがあります。女性管理職を増やす前に本当に女性が働きやすい職場を従業員と対話しないかぎり、本質的な解決は不可能です。今一度積極的に議論をしてみてはどうでしょうか?

ステークホルダーエンゲージメントとは?

ステークホルダーエンゲージメントってなんでしょうか?

 

ステークホルダーは以前ご説明したように、

 

「テントを張るときにペグを刺してテントを張ります。テントを企業と考えてください。ペグがしっかりと地面に刺さっている状態でないといけません。英語でstakeというのはペグのことを指します。stake=ペグをholdしている人=持っている人がステークホルダーということになります。テントを張るために必要なペグを持っている人=会社を健全な状態に維持、存続させる上で必要な人=ステークホルダーとなります。」

 

会社を健全な状態に維持、存続させる上で必要な人・団体のことを言います。ではエンゲージメントとは何なのか?今一度考えてみましょう。エンゲージメントと言えば婚約とすぐに想起できるのではないでしょうか?英語でエンゲージメントというと婚約、契約、雇用契約、交戦、歯車のかみあいなどの意味があります。それぞれが意味しているのは1対1で繋がり合う、交じり合うことを指しています。

 

ステークホルダーと向き合い、繋がり合うことがステークホルダーエンゲージメントということになります。エンゲージメントを深めるために、つながりを深くするために行われるのがステークホルダー・ダイアログやステークホルダーと共に行うCSR活動などになります。

 

まずはステークホルダーと自社がどういう関係にあるのか?つながりは薄いのか?深いのか?正しく判断ができていないと深いつながりを持つことができなくなってしまいます。より深いステークホルダーエンゲージメントを構築するためにも、まずはしっかりとした調査をしましょう。

ステークホルダーに選ばせる仕組みづくり

CSRとはステークホルダーに選ばせる続ける仕組みづくりのことをさします。と先日投稿させていただきました。今回はその続編で選ばせる仕組みづくりについて少し書きます。選ばせる仕組みはどうやればできるのでしょうか?そもそも選ばせるってどういうことなのか?その辺りから書いてみたいとおもいます。

 

ステークホルダーから選ばれているのか?
取引先、従業員、地域社会、顧客などのステークホルダーは自社を好き好んで選んでいるのかどうか?という点が焦点になります。彼らが好き好んで選んでいるのであれば、CSRはうまくまわっていうことになります。その方法がちゃんとPDCAをまわしてようが、まわしていまいが継続的に選ばれ続けているのであればCSRは動作していますし、業績も良くなっていることとおもわれます。しかし、多くの企業が選ばせているというレベルまでは至っていないのではないかと思います。

 

ステークホルダーから選ばれる条件
ステークホルダーから選ばれるために、それぞれのステークホルダーと向き合い対応していくことが必要になります。そのためにはステークホルダーごとにそれぞれのステークホルダーが自社との関係上でどういうステータスになっているのかを確認する必要があります。かといってステークホルダーかどうかもわからない著名人を集めてステークホルダーエンゲージメントを行えばいいのか?というとそれも違います。例えば、

・アンケート
・フォーカスグループインタビュー

などを行った上で各ステークホルダーと対話を行うことが望ましいです。その際にステークホルダーが何を求めているのかを確認するべきかと思います。

 

選ばせる仕組みづくり
各ステークホルダーのニーズやウォンツが判明した時点で、彼らのニーズやウォンツを充足できる解決策を自社の持つ資源で解決ができるかを検討します。その際に最も重要になるのがその企業ならではの着想・資源・方法を用いた継続する仕組みで解決することです。賢明な方はお気づきだと思いますが、その企業の経営理念・創業理念などを総括した文化が重要になってきます。ですので、CSR=各企業ごとに異なる手法で、異なるステークホルダーに対応することになるます。これを考えると総論的な話は本当は難しいものがあります。

 

継続する仕組みづくり
選ばせ続けるためにはステークホルダーの声を聞き続ける仕組みとそれを計画し、実行し、評価し、改善する仕組みを組み立てないと持続することはできません。これを考えるとヒアリングが間違うと計画が間違いますのでステークホルダーが望んでもいないことをやりつづけることになります。

 

ざっくりと選ばせる仕組みづくりについて書きましたが、どこが選ばせるキーポイントになるのか?という点がまだまだ薄いので次回それについて書いてみます。

信頼させるためのCSRからの脱却 選ばせるしくみづくり

CSRは企業の社会的責任性のことを指します。企業が法人格として社会で生き抜くために果たさなければいけない義務を果たすことを言いますが、それでは説明不十分で多くの人がよく分からない。いろいろな定義を紐解くとキーワードとしては積極的解釈と消極的な解釈があります。

消極的な解釈とは 守りのCSR
企業が関係し影響を与えるステークホルダーに対して、責任を持つことを指します。この時に言う責任というのは説明責任(アカウンタビイリティ)や賠償責任などのように、企業が行動を起こした後にその行動に対する責任を負うことを指しています。これは同時に遵法範囲内の責任活動ということにもなります。

積極的解釈とは 攻めのCSR
企業を取り巻くステークホルダーに対して積極的に働きかけることで、ステークホルダーから信頼を得ることを指します。企業が経済活動など従前の活動を通じてステークホルダーと対話し、向き合い信頼を得ていくことになります。これは法律遵守以上のCSRを指しています。

これでもいまいちすっきりしないので、私なりの解釈をちゃんと作りました。私なりにです。引用する際はちゃんと表記くださいね。

CSRとは?ステークホルダーに選ばせる続ける仕組みづくりのことをさします。

ステークホルダーから信頼を得るということをCSRをの目的としてしまうと信頼を得るところで目的は達成されてしまいます。しかし、問題は信頼を得るだけでは企業は持続することはできません。信頼されて、選んでいただいてはじめて売上がたって持続することが出来ます。CSRの本質的な目的は企業がステークホルダーと共に持続的に発展することですので、ステークホルダーに選ばれ続けなければいけません。選ばれるという受け身で取り組むのではなく、そもそも選ばせるように仕組みを作ることを念頭においてCSRにアプローチしないと維持し継続することが難しくなります。
選ばせ続ける仕組みを作るためには、信頼させる活動を行います。信頼させる活動を行うためには何を行うと信頼させることができるのかを考え、積極的に活動を行います。他方で、信頼を得るためにCSRを行うと、信頼を得るためには何を行うと信頼足りえるのかを考えて活動します。信頼足りえるのかを考えると消極的でISO26000やGRIの要求水準を満たすことを目標としてしまいます。
じゃあ、このステークホルダーに選ばせ続ける仕組みづくりとはどういう構成要素で出来上がっているのでしょうか?これについては次の記事で書いていきます。

CSRとCSV

CSRとCSVについて、色々な議論があります。色々な理解があります。今一度ちゃんと理解をしていただきたくこれを書いております。マイケル・ポーター先生は2006年に受動的なCSRにから戦略的なCSRに変換すべきだと論文を書かれ、そのあとで共有価値の創造という論文を書かれました。共に共著ですが、共著されているのはマーク・R・クラマー先生。2006年に書かれたことをよりブラッシュアップされて考えられたのが共有価値の創造だったんです。

その文脈を考えれば、CSV=戦略的CSRという理解で正しいことがわかります。同義語であり、同義語でない。経営戦略側から見れば、経営戦略の範囲の拡大である。CSR側から見ればCSRの範囲の拡大である。とも言えます。ただし、注意して欲しいのがマイケル・ポーター先生たちは既存CSRは事業戦略と関係ないからダメだとディスっており、既存のCSRを否定したわけです。バリューチェーン理論(サプライチェーンではありません。)観点でCSRを再考し、CSRをより事業戦略と連動させる形で再構築したものがCSVとなります。故にISO26000やGRIなどのCSRの基準とCSVをあわせて考えようとしてもフィットするものではありません。CSVはCSRを戦略的に再思考したものであり、CSRの各種国際的な基準に適合するものではありません。

CSR=CSV
CSR⇒CSV
CSR≠CSV
どの表現も正しいことになります。大切なのはCSRの解釈をどのように捉えるかという点になります。そもそもCSRという言葉が難しいので、そこから整理しないと日本のCSRは前にすすまないような気がしています。次回はCSRをわかりやすく説明したいと思います。

CSRの社内教育について

CSRを社内浸透しなければいけないか?どうか?という議論があるのは一旦おいておいて、CSRを全社をあげて行おうと思っている企業の方はCSRの社員教育がCSRの社内浸透の鍵になっていることはよくわかっていらっしゃると思います。ただ、CSRレポートを配布して読んでおいてねーで終わりというのはCSRの社内教育とはいえません。ではCSRの社内教育とはどのようなものが考えられるのか、今回はこれについて箇条書きで書いてみます。

1.基礎的な教育
方法:e-learningなどで対応可能

内容
CSRの基本的な背景
CSRがなぜ今世の中で騒がれているのか?何故必要なのかを把握
CSRの流れ
CSRの中で、どのような社会的な流れが存在しているのかを把握
CSRのキーワード
ステークホルダーやESGなどの基本的なキーワードの理解度を向上

2.自社におけるCSRの確認
方法:対面で講義が望ましい

内容
自社の成り立ちとCSR
企業理念とCSRの関係性の確認
ステークホルダーの確認
自社が相対するステークホルダーの確認
これまでのCSR活動の確認
これまで行われてきたCSR活動の確認

3.社員と共に進めるCSRの確認
方法:グループワーク・グループディスカッションが望ましい

内容
各部門におけるCSR活動の確認
各部門がどういうステークホルダーと相対し、どういうCSR活動を行っているのかを確認
各部門での活動推進
各部門が相対しているステークホルダーが必要としている物・事はなにかを確認し、自社の活動と照らし合わせる

いかがですか?一般的なCSRについてはコンプライアンスなどのe-learningで実施されている企業様も多いと思いますが、自社のCSRの方向性や現状の確認などを実施されている企業さまは多くはありません。もっと言えば、各部門別の教育を進められている企業様はもっと多くありません。これは一般的に全社的な取組としてかっちり組んだ場合のケースになります。これ以外の方法ですと

1.CSR研修の提案受付
社員が社会問題に興味があり、自社の事業領域と関係していると思われる社会問題についてNPOや研究者などを招聘し講義を受ける。同時に講義を受けたあとに、その社会問題を自社の事業領域でどう対応するのかをディスカッションし時間外・業務時間内を問わず実施できることをブレストしてみる。

2.CSR実務研修
実際に自社が対面している社会問題の現場に1日研修で出向き、その現状を学ぶ。その研修で学んだ社員はそれをレポートにまとめ、自分の部門でどういうアクションが社会問題の解決に繋がるかを検討し議論し、行動計画をたてる。

こんな方法もあります。CSRが社会貢献活動だと思っているとCSR社内研修もできません。CSR=ステークホルダーとの関係改善による事業の維持・拡大を目指した全社的な戦略だと考えなおし、社内研修も再構築されることをお勧めいたします。

引用を考える事

引用を行う際に問題となるのは「主」と「従」が正しく表現できているか?引用している文章が主になってはいけないという問題があります。多くのブログではその関係性が逆転しており、あたかも主の発信主であるかのような情報の配信はよくありません。コンプライアンスの問題ですよね。自身のサイトがニュースサイトではないのに、ニュースサイトに見えて情報を発信しているかのように見えてしまうとこれはどうなのでしょうか?

例えばです。

これが元サイト
https://www.globalreporting.org/information/news-and-press-center/Pages/GSSB-to-revise-Employee-Worker-terminology-for-GRI-Standards-in-line-with-ILO-Standards.aspx

これが日本語に翻訳したニュースサイト
http://sustainablejapan.jp/2016/03/14/gssb-gri/21470

それを引用して

サステナビリティ報告に関する国際ガイドラインのGRIが設立した、独立した基準設定機関のGlobal Sustainability Standards Board(グローバル・サステナビリティ基準審議会、以下GSSB)は3月1日、サステナビリティ情報のグローバルにおける比較可能性および質向上の一環として、現状のGRIガイドラインの中で使用されている用語をILO(国際労働機関)の基準に沿うよう見直しを進めていることを公表した。

引用元:サステナブルジャパン
http://sustainablejapan.jp/2016/03/14/gssb-gri/21470

と表記して、

 

そうなんですよねー。

 

ISO26000でもILOの基準が非常に重要視されている今、GRIもILOに基準を統一したんですよね。日本はILOの中でも「強制労働の廃止」(105号条約)と「雇用と職業における差別待遇の禁止」(111号)を国として認めていません。

 

日本企業は国のようにしがらみがないので、積極的にILO基準だよーって表明するべきですよねー。まだ、ILO基準だと表明していない企業はチャンスです!

このタイミングでILOの基準は我が社は全て満たしているって表明すればISO26000の項目もカバーできるです。

とした時に、微妙な感じの記事になりますよね。確かに表記は引用を記載しています。でも、どうなんだろうか?引用って。ニュース+グーグルで検索した他の記事=自分の文章?そんなはずはないはずなのに、多くの読者は疑問をいだきません。恐ろしいなあインターネットって思います。自分で考える力を奪うのがインターネット、自分で考えていない文章を見抜けなくなるのもインターネット。

サステナブルジャパンさんすみません。なんか・・・・。消せとおっしゃるならすぐにでも消します。

パチンコ店のCSR ゴミ拾いをただの社会貢献で終わらせますか?

以前、パチンコ業界しで最大手のプレイグラフさんにパチンコ業界のCSRについてお話しました。再考をくわえて今回書きなおしてみます。パチンコ業界ではCSRが幾つかの階層になっています。

1.メーカーにおけるCSR
大手メーカーで上場している規模のメーカーだとCSRは行っていますが、未上場のメーカーさんはCSRの打ち出しはしていません。セガサミーホールディングスさんは持ち株会社ですので、色々な形でCSR活動を行われています。面白いところで言うと台の再利用などを行われており、遊技機機のリサイクルなど環境配慮を積極的に行われているところでしょうか?

2.大手ホールにおけるCSR
全国展開している大手ホールさんですと、ガイアさん、マルハンさん、ダイナムさんなどは積極的にCSR活動をおこなっていらっしゃいます。マルハンさんのみがステークホルダーに対する考え方をしっかり表明されており、ISO26000基準で活動をされているようでした。

3.中小ホールにおけるCSR
中小ホールでのCSRは町の美化活動などがメインのCSRとして行われている状況かと思います。その他で言えば寄付や募金などが多いように見受けます。

さて、大前提としてパチンコ業界がCSRしていいのか?という話があります。以前、タバコ会社はタバコ自体が害で悪なのでCSRはしても意味がないとおっしゃっている方もいらっしゃいました。私はそんなことは無いと思っています。企業体として存在しているだけでも意義はあります。その企業体が存続し継続するためにはステークホルダーと健全な関係を維持運営していかなければいけません。故にパチンコ業界の全ての企業はCSR活動を行うべきだと思います。

階層によっては意識の差が激しく、実施されていないところが多いのも実情では有ります。しかし、実際には実施されているのに正しくコミュニケーションができていない企業も多いのではないかと思います。例えばゴミ拾い。ゴミ拾いをするだけならば慈善活動です。地域の人の役に立ちたい、地域社会に貢献し、地域社会に必要な企業だと思って頼られたいという行動の裏にある気持ちが伝わっているか?それを積極的にコミュニケーションしようとしているか?というと疑わしいものがあります。

今、パチンコ業界で当然の様に行われている地域社会貢献活動や消費者との対話そして取引業者との対話それぞれがCSRである可能性は十分にあります。相手のことを考えておこなっているんですよと対応するステークホルダーにちゃんと伝えることができれば
1.店舗ブランドの再構築
2.集客の助力
3.従業員の離職低下
結果として稼働の向上、出荷台数の増加などにつながる可能性は十分にあると思います。

単なる社会貢献。社会貢献ありきではなく、相手への思い、企業の存続をかけた活動だということをちゃんと伝えてみませんか?

ステークホルダーの特定

私はCSRを説明するにあたり、こんな風に説明している。

「テントを張るときにペグを刺してテントを張ります。テントを企業と考えてください。ペグがしっかりと地面に刺さっている状態でないといけません。英語でstakeというのはペグのことを指します。stake=ペグをholdしている人=持っている人がステークホルダーということになります。テントを張るために必要なペグを持っている人=会社を健全な状態に維持、存続させる上で必要な人=ステークホルダーとなります。」

この時ステークホルダーはどんな企業でも同じものではありません。ステークホルダーはその企業その企業で変わります。例えばIT企業のヤフージャパンとかのステークホルダーを考えてみましょう。

情報提供パートナー
ブログ執筆パートナー
サーバー設置している場所の地域社会
事業所がある場所の地域社会
従業員
アウトソーシングしているシステム会社

などなど。

などがステークホルダーになるのではないかと思います。しかし、ステークホルダーを決めるのは当該事業会社になります。ヤフーのケースで言えば、ヤフージャパンがステークホルダーを定める必要性があります。ISO26000では原則の直後の記載がステークホルダー・エンゲージメントになっていることから考えますとステークホルダーを定めることの重要性が伺えます。

CSRを実行する時、まとめる時もっとも重要となる最初のステップはステークホルダーを認識し、重要度を定めることです。そこができていないと現在実施している結果的に社会貢献活動になっているものをまとめるのがCSR部門の仕事になってしまい、一人一人の社員がCSR活動を意識することなく、社会貢献部門の人がやることだと思ってしまうようになります。CSRを強化し、事業戦略にもCSRを活かして行きたいのであればまずはステークホルダーの特定と重要度付けからスタートしましょう。