CSRを社内浸透しなければいけないか?どうか?という議論があるのは一旦おいておいて、CSRを全社をあげて行おうと思っている企業の方はCSRの社員教育がCSRの社内浸透の鍵になっていることはよくわかっていらっしゃると思います。ただ、CSRレポートを配布して読んでおいてねーで終わりというのはCSRの社内教育とはいえません。ではCSRの社内教育とはどのようなものが考えられるのか、今回はこれについて箇条書きで書いてみます。

1.基礎的な教育
方法:e-learningなどで対応可能

内容
CSRの基本的な背景
CSRがなぜ今世の中で騒がれているのか?何故必要なのかを把握
CSRの流れ
CSRの中で、どのような社会的な流れが存在しているのかを把握
CSRのキーワード
ステークホルダーやESGなどの基本的なキーワードの理解度を向上

2.自社におけるCSRの確認
方法:対面で講義が望ましい

内容
自社の成り立ちとCSR
企業理念とCSRの関係性の確認
ステークホルダーの確認
自社が相対するステークホルダーの確認
これまでのCSR活動の確認
これまで行われてきたCSR活動の確認

3.社員と共に進めるCSRの確認
方法:グループワーク・グループディスカッションが望ましい

内容
各部門におけるCSR活動の確認
各部門がどういうステークホルダーと相対し、どういうCSR活動を行っているのかを確認
各部門での活動推進
各部門が相対しているステークホルダーが必要としている物・事はなにかを確認し、自社の活動と照らし合わせる

いかがですか?一般的なCSRについてはコンプライアンスなどのe-learningで実施されている企業様も多いと思いますが、自社のCSRの方向性や現状の確認などを実施されている企業さまは多くはありません。もっと言えば、各部門別の教育を進められている企業様はもっと多くありません。これは一般的に全社的な取組としてかっちり組んだ場合のケースになります。これ以外の方法ですと

1.CSR研修の提案受付
社員が社会問題に興味があり、自社の事業領域と関係していると思われる社会問題についてNPOや研究者などを招聘し講義を受ける。同時に講義を受けたあとに、その社会問題を自社の事業領域でどう対応するのかをディスカッションし時間外・業務時間内を問わず実施できることをブレストしてみる。

2.CSR実務研修
実際に自社が対面している社会問題の現場に1日研修で出向き、その現状を学ぶ。その研修で学んだ社員はそれをレポートにまとめ、自分の部門でどういうアクションが社会問題の解決に繋がるかを検討し議論し、行動計画をたてる。

こんな方法もあります。CSRが社会貢献活動だと思っているとCSR社内研修もできません。CSR=ステークホルダーとの関係改善による事業の維持・拡大を目指した全社的な戦略だと考えなおし、社内研修も再構築されることをお勧めいたします。