カテゴリー別アーカイブ: CSR

CSRは社会貢献か?

CSRは社会にいい事である。と思っている人が多いのかもしれない。それは結果として社会にいい事をしているのであって、企業側から考えると違う。CSRの本質はステークホルダーと共生し、企業を持続的発展もしくは持続させることにあると私は考えている。重要なのはステークホルダーと共に歩むことである。ステークホルダーと良好な関係性を維持することが、結果として社会に貢献することになる。

例えば地域社会。当該企業が事業を営む地区、地域において地域社会と良好な関係を維持することで持続的に事業展開が可能になる。リスク管理の面から考えても地域社会からの反対運動などを避ける効果もある。反面良好な関係を維持することで、地域の優秀な人材を雇用することさえできる。社会貢献のためだけにCSRを行うことは営利組織である企業にとっては不可能にちかい。ただし、活動の結果は当事者間から離れた第三者的な目線で見ると社会貢献をしているように見える。

ステークホルダーと良好な関係を保つことが、企業を存続させ、成長させることにつながるということを理解するとCSRは戦略的な色合いが出てくると同時に企業内へ浸透させることがより容易になってくる。CSRの社内浸透はCSR推進を行う部門にとっては大きな課題ではある。ただし、CSRを推進するために社員が参加できる社会貢献をむやみに増やしたり、参加率をたかめることが、真のCSR推進にはつながらない。

真のCSR推進はどうやれば企業が存続できるのかを社員それぞれが考えた時にはじめて生まれるものではないかと思う。付け刃的に仕組みを用意しても、本質的にCSR実施理由を考えていない場合はCSRは推進し末端社員まで浸透することはなかなか難しい。CSR=ステークホルダーとの良好な関係づくりと考えていない、CSR=社会貢献と考えている恐ろしく浅はかなCSRコンサルタントが実は増えつつ有ることに危惧を覚えたので今回はCSR≠社会貢献という題材で書いてみました。

あるテレビ会社のCSRについて

特定の企業について悪くいうのは褒められたことでもないので伏せて書きます。あるテレビ会社さんがCSRにとても力をいれていらっしゃいました。テレビ会社には珍しくCSRについてのホームページを早くから設置されたり、推進体制を組成したりされていました。しかし、ステイクホルダーについては何も言及されていませんでした。社会に報道したことを伝えるのがCSRなんだと伝えていました。本業=CSRっていうアプローチ悪くはないんですが、各ステイクホルダーに対して本業がどう影響するかを訴える必要はあると思っていました。

すると最近になって、出演者いじめがあるという報道がされました。その後製作会社に対する支払いが少ないという報道がされました。何が起こったのでしょうか?考えられるのは飾りとしてのCSRを推進していたということが考えられます。非常に残念ですがCSR自体をただしく理解せず、PRの部分や事業戦略の部分だけを取り上げた形でCSRを推進してしまっていたことが影響していたのではないかと思われます。

今回の争点は従業員≠従業者ということです。テレビ業界で番組制作をするのはテレビ局の人ではなく多くが製作会社の方が行われています。従業者は多いのですが、従業員はそこまで多く関わっていないということになります。しかし、現実問題としては従業者はみなし従業員です。その場合は本来的には製作会社の方への応対も従業員としてのステイクホルダーとして捉えるべきです。もし、製作会社への対応を外部としてとらえた場合は「公正な事業慣行、公正な取引」をおこなう取引先というステイクホルダーとして捉えるべきです。

自由な形でCSRを行うこと。CSRをPRの一貫として行うこと。これに罪はありませんし、CSRを推進する入り口としてはあるべきだと思います。ただし、重要なのは基本のフレイムワークからずれないこと。基本のフレームワークとは
ガバナンス
人権
従業員
取引先
消費者
環境
社会
この6つの項目については、それぞれ方針などをしっかり固めておく必要があります。それができていない時に、大きくPRしてしまった後で今回の様にネガティブな報道がなされてしまうとCSRをしていなかった、CSRを軽んじていたなどという印象を持たれてしまいます。CSRをおこなったことが逆にリスクになる可能性さえあります。

基本しっかり表現自由

CSRはそういうステージに入っています。

CSRの社内浸透度における量的調査と質的調査の関係性

CSRの課題の一つとして、社内での浸透度というものがある。社内で浸透しないCSRに意味が無いのか?というとそれはそれで意味があるのかもしれない。浸透していなくてもGRIで網羅性の高い情報が開示できていればいいし、ISO26000でも網羅性の高い情報が開示できていればいい。しかしながら、情報開示することだけがCSRのいいところではない。CSRのいいところは企業理念から流れるその会社の文化を社会のニーズとすり合わせるツールになるところだ。

CSRがうまく浸透できれば
1.業務パフォーマンスが向上する
2.社会ニーズに応えることができるようになる
3.社員のモチベーションを向上することができる
ざっくりだが、こんなことが言える。そもそもその企業の企業理念がぶれていたり、企業文化が脆弱な場合はどれも期待できない可能性があることを留意しておきたい。しかし、数十年法人格をもって動いている企業には文化が存在しているので、そうそう上記のような状況は起こらないものだと思っている。

社内浸透度を計測する上で気をつけたいのが、表層的にはわかりにくい相互の関係性になる。どの部署とどの部署がどう業務でかかわっているのか?どこが意思決定をおこなっているのか?CSRの命令系統はどこの部署がどう担当して関わっているのか?この点がはっきりしていない場合において真の浸透度の調査は難しい。表層的なデータで紐解けるものとそうでないものがある。そもそも質的な調査と量的な調査が存在するが、私の仕事は量的な調査を裏付ける質的な調査が主たるものになる。

当該組織のどこの部署がボトルネックになっているのか?どの部署が最も機能してCSRを浸透させているのか?どの職位が、どの年代が、どの事業所がどう相互に関係しているのかを紐解くことが私の仕事になる。

年頭所感CSR

近年CSRについては以下のような基準があることはよく知られています。

ISO26000
GRI
多くの先進的な企業がGRIに傾倒してCSRレポートを作成していたのですが、一昨年くらいから大きな潮流としてISO26000ベースで作成をされています。ISO26000ベースで作成されたものを後でGRIではどのように対応しているのかをフォローする形になっています。GRIについてはガイドラインとして利用することで準拠した対応をすることが可能になります。このことで要求事項として対応しなくてもよくなります。他方でISO26000もガイドライン。CSR界隈はガイドラインだらけになっています。そのほうが自由度があって各社にあった形での表現が可能になりますからいいと私は思っています。

今年のトレンドとしては、人権問題に大きなメスが入るのではないかと思っています。数年前からレスポンシブルソーシングやエシカルソーシングなどのように調達を倫理的に正しい形でおこなうべきだと言われてきましたが、最近ではソーシングが人権問題に抵触する可能性があることが多いことからソーシングをしっかり対応することで人権問題・課題に対応しているとアピールすることも可能になります。そもそも奴隷的に人的資源を活用する企業にはCSRもなにもあったものではないので、この流れは大きくなるべきだと思っています。

同時にソーシングだけではなく、LGBT関連についても脚光をあびるのではないかと思われます。これについては、日本国内でも相当数性的なマイノリティは存在しているにも関わらず救済措置や彼らが働きやすい職場づくりをしてこなかった経緯もあります。カミングアウトしずらい、カミングアウトされてもどのように対応していいかわからないという企業も多かったのですが、徐々にどのように一緒に働くべきか?どのようにしたら働きやすい環境がつくられるか?などのセミナーや議論が公でされるようになりつつあります。

CSR観点ではなく、日本自体の社会課題を解決するという観点でCSRを考えた時に以下の問題・課題がまだ山積しているので各企業が経済合理性に則って企業活動を通じて解決していくことが望まれている。

1.オリンピック開催
2020年までに健康増進などを含めて企業の対応がのぞまれる
2.人口問題
少子高齢化社会において、高齢者のセーフティネットと高齢者の社会参加が望まれる
3.環境問題
オリンピックに向けて水素エネルギー活用が進められているが、エネルギー問題だけではなくCO2削減や生物多様性保全に向けて各企業が一歩進んだ対応をすることが望まれる
4.ブラック企業
もはやブラック企業がなくなることは、社会構造的に無い。しかし、ブラック企業と取引を停止することは各企業ができるのではないでしょうか?ということでソーシングでブラック企業排除を行う
5.女性活躍推進
女性だけをとりわけ、取り上げて活躍しやすい仕組みをつくることを現在国家戦略として進められていますが、子供から老人そして男女問わず多方面で活躍できる仕組みづくりが求められています。この点についてはCSRの労動と人権に分野で大きく関わっています。

大切なのはこれらの課題や問題をガイドラインに書いてあるとおりにやるのではない。それぞれの企業ができる範囲で、それぞれの企業らしい活動で対応すべきかと思います。そういう企業が評価される世の中になるべきではないかと思います。もちろん社会的なインパクトが大きいことをするのは偉いですが、それ以上にできる範囲でやれることをすることは重要かと思います。

心のバリアフリーを育んだ35年

2020年東京オリンピックに向けて、東京はあと5年急ピッチでバリアフリーを推し進めることを決定した。東京オリンピック開催が決定して以来、毎週のように公共交通機関および公的施設そして宿泊施設のバリアフリーに関するニュースが報道されている。同時に注目されているキーワードが「心のバリアフリー」だ。

東京オリンピック誘致の際に滝川クリステル氏がプレゼンで「おもてなし」というキーフレーズを印象的に使ったこともあってか、ハード面のバリアフリーもさることながら、ソフト面のバリアフリーにも注目が集まっている。東京都知事の舛添要一氏も昨年からことあるごとに「おもいやり」、「言葉と心のバリアフリー」そして「心のバリアフリー」というキーワードを多用しながら東京オリンピック開催に向けた体制について語っている。

心のバリアフリーに35年にわたり向き合ってきた企業が存在する。玩具大手メーカーの株式会社タカラトミーだ。いまから遡ること35年前、株式会社タカラトミーの前身にあたる株式会社トミーにある部署が生まれた。その名もハンディキャップ・トイ研究室だ。当初期はバリアフリーやユニバーサルデザインという概念よりも先に障害者の幼児や児童に向けた玩具の開発を目指し商品開発を行った。

ハンディキャップ・トイ研究室開設から10年後、1990年に株式会社トミーはこの活動を玩具業界全体の活動にしようと日本玩具協会に持ちかけた。以降、この活動は共遊玩具(健常者と障害者が共に遊べる玩具)活動として日本玩具協会の中で引き継がれた。それ以降、日本玩具協会が共遊玩具の普及、推進活動をおこなっており、目の不自由な子供への配慮を加えたものには盲導犬のデザインをマークにした「盲導犬マーク」を表示し、耳の不自由な子供への配慮を加えたものはうさぎのデザインをマークにした「うさぎマーク」を表示している。

先日、日本玩具協会主催の「日本おもちゃ大賞」共遊玩具部門 大賞を株式会社タカラトミーの商品である「JOUJOU みつけてみよう!いろキャッチペン」が受賞した。「JOUJOU みつけてみよう!いろキャッチペン」は、24色を読み取れる色センサーと、音声を再生するスピーカー、タブレットで使えるペン先を持った次世代お絵かき玩具である。タブレットに無料のアプリをダウンロードすれば、ペンから出る音声の内容を字幕表示できるため、耳に障害がある子どもたちも遊べるという玩具だ。また、視覚障害者が使う色識別機と同様の技術が使われており、遊びながら色の感覚を養う手助けをすることができる玩具でもある。

2020年のこころのバリアフリーに向けた、具体的な施策は現段階では不明確な部分も多い。他者に対しておもいやりをもったり、他者のことを気遣える環境をつくったり、そういうことができる人間を育てることは簡単ではないことは容易に想像できる。東京が求められている2020年に向けた多様性を受け入れられる社会インフラを整備するためには、児童や幼児に対する教育、遊びに大きな鍵があるのではないだろうか?

 

コーポレート・ガバナンス・コードとCSRの関係性

2013年日本の金融庁は「責任ある機関投資家」の諸原則:日本版ステュワードシップ・コードというもの検討を開始しました。この諸原則は機関投資家が、建設的な「目的を持った対話」などを通じて、投資先企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的として、金融庁により策定されたものです。これが2014年6月に確定し、現在では下記のように多くの機関投資家が受け入れを行いました。

 

・ 信託銀行等 : 6
・ 投信・投資顧問会社等 : 122
・ 生命保険会社 : 17
・ 損害保険会社 : 4
・ 年金基金等 : 19
・ その他(議決権行使助言会社他) : 7
(合 計) : 175

 

この「目的を持った対話」を促すために、2014年対話の相手である企業側の整備を金融庁と東京証券市場が連動しながら開始しました。これを「コーポレート・ガバナンスコード」といいます。このコーポレート・ガバナンスコードは以下の原則で取り決められました。

 

1.株主の権利・平等性の確保
2.株主以外のステークホルダーとの適切な協同
3.適切な情報開示と透明性の確保
4.取締役会のなどの責務
5.株主との対話

 

この中でも注目するべきは、
2.株主以外のステークホルダーとの適切な協同
になります。

 

上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることことを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に務めるべきである。
取締役会・経営陣はこれらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の情勢に向けてリーダーシップを発揮すべきである。

 

この考え方の説明の中で金融庁は
近時のグローバルな社会・環境問題などに対する関心の高まりを踏まえれば、いわゆるESG問題への積極的・能動的な対応をこれらに含めることも考えられる。
としています。

金融庁はステュワードシップとコーポレート・ガバナンスコードで企業と機関投資家の対話するための土壌を作りあげました。その対話項目の中にCSRという概念もしっかり盛り込まれています。このコーポレート・ガバナンスコードは5月に東京証券取引所から上場企業に対してこの項目に責任をもって受け入れるかどうかの問い合わせが始まります。6月からは実際に施行することになります。

機関投資家がどの角度でこれらの項目に対して注目し、対話を求めてくるかで話は変わってきますが、CSRが日本の金融においても重要な位置づけに位置づけられた非常に大きな第一歩だと思われます。

ステークホルダーダイアログという有識者説教会

ステークホルダーダイアログを開催しました。という記事をたまに目にする。実際に読んでみると、あれ?これってステークホルダーダイアログなの?って感じがする。その理由はステークホルダーダイアログが有識者からの助言会になっているケースが多いからだ。それはダイアログ=対話ではなく、有識者からの説教会でしかない。では、本来ステークホルダーダイアログとは何なのか?

ISO26000では、「ステークホルダーの特定およびステークホルダー・エンゲージメントは、組織の社会的責任の取り組みの中心である」としています。特定したステークホルダーに対して対話形式で具体的な論点を設定して、継続的に行うことを言います。

そのためにはまずは
1.ステークホルダーグループの特定
2.各グループの詳細を記載
3.各グループのエンゲージメントを含めたステータスを分析
4.各グループをマッピングに落としこむ
5.その上で対話を行い、フィードバックなどを行う
6.次年度は3から5をPDCAで回す。
というステップが必要になります。

何故、有識者説教会を行うのか?CSR部門に力がなく、有識者を社内に招聘し、自社のTOPやCSRのTOPそして役員などにCSRがなんたるか?を説明してもらったりしている。もしくは、御社のCSRは素晴らしい!とKISS ASSを公開でやらせている可能性もある。

昔から良く良薬は口に苦いと言う。心地の良い言葉でCSRを持ち上げても本当にその企業が本質的に変わることはない。有識者説教会を行うのであれば、圧力団体による圧迫面談を受けたほうが企業のTOPは危機を感じるだろう。そのほうが本質的に企業がC本腰を入れてCSRに取り組み近道なのかもしれない。

有識者説教会を1度行うコストを考えれば、本当にするべきステークホルダーダイアログを3回行ったほうが意味がある。説教を受けるだけの会議よりも前進する対話のほうが100倍意味があるからだ。もう、有識者説教会をステークホルダーダイアログという名称でリリースを出すのはやめてほしいと本当に願う。

ゴミ拾いをCSRにすること 

ゴミ拾いってCSRになるのか?

と疑問に思った時期がありました。ゴミ拾いは直接的にCO2削減したり、生態系を劇的に改善することはありません。ゴミ拾いをすることで効果があるのは環境ではなく、地域社会とのかかわり合いの方かと思っています。

◎◎株式会社さんがゴミ拾いしてくれているんだー。そういう会社がこの地域にあるんだー。なんて感じに地域社会の一員として当たり前のことをするという姿勢で地域社会に馴染むことが大切なのかと思いました。
でも大切なのはゴミ拾いで終わることではないんだろうなと思っています。
大切なのはゴミを拾ったあと、縮まった地域社会と「共になにを次にするか?」ということが重要になるのではないかと思っています。地域のお祭などのイベントなどに参加することも重要でしょう。

しかし、ここでいう「共に行うこと」は「企業が地域社会を地域社会の人たちとどう築いていくか?どうしていきたいか?」ということです。

企業がIT関連の企業だったら、ITを活用した地域社会と共に目指す街頭美化活動なんかもいいのかもしれません。意外とIT関連の企業でゴミ拾いを行われている企業は多いです

ゴミ拾い自体を率先して行うことは、本当に素晴らしいことだと思います。それをCSRに活かして行く為には、単なるゴミ拾いで終わらない次に繋がるゴミ拾いをプランし実行することが重要かと思います。

CSRの原因と結果

CSRの原因と結果

4月です。多くの企業が新年度に入り、CSR部門にも多くの新人の方が配属されたのではないでしょうか?CSR部門において、なにが大切なんでしょうか?私は「大きな絵」だと思っています。大きな絵というのはCSRをプランニングする上でのコンセプトやビジョンに当たる部分の規模感を言っています。旗は出来る限り、高く、大きい物をまずは用意しましょう。素晴らしい御旗がどのような結果を招くのでしょうか?

■原因と結果

原因があり、結果が有る。これは誰にも変えられない事実。
・勉強しなかったから、テストでいい結果が残せなかった。
・営業努力を怠ったから、売上げが落ちた。

■CSRでの原因と結果

1)守りのCSRの原因と結果

これを守りのCSR的な観点で考えるとこうなる。
原因⇒結果
・環境配慮をしなかったから、環境破壊をした。
・従業員に過剰な労働を強いたために、従業員が体調を崩した。
・コスト追求したために、児童労働者が働く工場に業務委託していた。
・社内の倫理が乱れていたため、女性従業員がセクハラを受けた。
これら自体がまた原因になり、
報道される⇒社会的評価が落ちる⇒営業面に影響⇒株価に影響
最低限の企業としてのリスクマネジメントが出来ていないことが、会社の価値を落とすことになる。

2)攻めのCSRの原因と結果

これを攻めのCSRで考えるとどうか?
原因⇒結果
・環境負荷を低減しようと技術開発をおこなったら、技術革新ができた。
・従業員が生き生き働ける職場環境をつくったら、生産性があがった。
・COC遵守した取引先選定をしたら、クオリティの高い製品がつくれた。
・女性のスキルを評価し役員登用したら、より消費者目線の経営ができた。
これら自体がまた原因になり
ステークホルダーからの評価があがる⇒営業面に影響⇒株価に影響
この図式がもっとも望ましいCSRの姿であろうと思われる。

■大きなコンセプト・ビジョンは大きな結果を導く

ここで重要なのは「結果」をどこまでイメージできるか?「結果」=「目標」=「ヴィジョン」である。大きなコンセプトを大風呂敷でまずは描くことができないCSRは消極的なCSRになってしまい、ダイナミックな原因=アクションもおこすことはできませ。ダイナミックなアクションができないと結果も小さいものになります。結果が小さいものに企業としては継続投資することは難しいので、毎年資源配分が減っていく可能性さえあります。逆に大きなコンセプト・ビジョンはアクションをダイナミックにさせ、結果もダイナミックなものにしていきます。年度初め、まずはダイナミックにCSRの大風呂敷を広げてみませんか?

 

楽天のネガキャンから見る楽天CSR

楽天のネガキャンから見る楽天CSR

楽天の不祥事がここ最近派手に報道されている。楽天としてはこれまで行ってきたことをいつも通りにおこなってきたのに、青天の霹靂という感じだと思う。報道された内容は要約するとこんなものだ。

1.派遣労働者が食堂を利用できない。
2.象牙の世界最大市場だ。
3.二重価格表示を従業員が指示した。

問題を整理すると

1.派遣労働者が食堂を利用できない。
⇒厚生労働省の「派遣先が講ずべき措置に関する指針」に対して、善処していないというものだ。しかしながら、派遣労働者は派遣会社の福利厚生を受けているために派遣先の福利厚生を受けることが可能かどうかはグレイなラインになる。むしろ問題になったのは、福利厚生の二重享受の説明をしなかったことやフードコートで食べてくださいと言ったことが問題になる。

2.象牙の世界最大市場だ。
⇒これに関しては、日本の常識は世界の非常識だということが認識できていなかったことに問題が有る。英語が喋れてもグローバルな自然保護の意識の高さが認識できていなかったことに問題が有る。出店、出品を煽りすぎて、グローバルなコンプライアンス意識がかけていたことにあるだろう。今現在でも象牙の判子は楽天市場で販売されているが、海外からのアクセスはできなくなっている。これは今後問題になる可能性がある。

3.二重価格表示を従業員が指示した。
⇒そういう事実の認識は社内ではない。という発表をしていたが、報道された日のニュースの下のフェイスブックコメント欄で「うちもあった」と発言していた出店者の方もいらっしゃったので、あったのかもしれない。しかし、この報道は2度目にあたるので今回は流石に問題なのかもしれない。

3点に共通して言えることはただひとつ。コンプライアンスとガバナンスが脆弱だということ。1兆円を超える時価総額の企業としては脇が甘く、リスク管理が出来ていない。売上げを求め過ぎると、リスクを犯しすぎて、企業を持続することもできなくなる。日本最大のECモールで世界中に進出している企業がやるべきことではないことが枚挙された結果になっている。基本的なリスクマネジメントをしっかりしてほしいなあと感じざるを得ない結果になった。

※仕手筋が株価操作のためにリークした情報ということも考えられるが、なんとも言えないのでそのことはおいておく。