アメリカのネイティブ・アメリカンのホピ族では、何か意思決定をする時に必ず7世代あとのことを念頭において意思決定をしていたのだそうだ。現在生きる人間と7世代あとの人間の意思決定は利害が一致しているという考えの元での考え方らしい。この考え方に裏打ちされた行動としては、彼らの狩猟生活にある。

彼らの食生活ではなかなか取得できないビタミンを彼らはバッファローを狩猟して生活していた。しかし、彼らはメスや子供のバッファローの狩猟はしなかったそうだ。必ず年老いたバッファローを狙い狩猟していたとのこと。種の保存を考えながら狩猟をしていたのだ。同時に狩猟した後は必ず、皮から骨まで全て活かしていたとのこと。これは日本の捕鯨文化にも通じるところがあるように思える。

では、CSRはどうなのか?会社人生は20前後で勤務開始し、恐らく40年前後勤務することになる。7世代と言えば、280年。おおよそ300年先の世代を見据えて企業行動が出来ているのか?というのが問題になる。300年先のステークホルダーのことを考えているか?顧客、地域社会、自然環境、サプライヤー、パートナー、そして従業員のことを考えて行動できているのか?

ネイティブ・アメリカンが生活していた環境と現代社会は大きく異る。情報化が進み、日々の業務もネイティブ・アメリカンが生活していたころと比較すると恐らく20倍以上のスピード感があるのだろう。それでも、私たちは次の世代、そうしてその次の世代のことを考えて仕事をしなければいけない。私たちの子供の子供の子供の子供の子供の子供の為にも、企業を社会を環境を考えた行動をしなければならないのではないか?年末押し迫り今年中にしなければいけない仕事も多いと思う。私自身もそうだが、来年に向けて、来年のそうして300年後を考えた仕事のプランニングもしておきたいものだ。