私も以前消極的なCSRと積極的なCSRについて記述をしました。消極的なCSRとは法令遵守。法律を犯さない形でのCSR活動を行うことです。一方で積極的なCSRとは、企業が自主的に事業領域内および外を問わず社会・環境・経済に良いインパクトを与えようとすることを言います。でも、冷静に考えてみました。それって正しいのか?その分類自体が間違いではないかと。

CSRはそもそも、企業戦略の上位に位置し、企業の事業継続性を維持するための考え方がまず柱のように「どーん」とないと付け刃的になってしまい機能しません。じゃあ消極的なCSRは機能しないか?法令遵守レベルでは機能します。しかし、今企業が求めているイノベーションを起こすようなCSRにつながることは程遠いと考えても間違いはないかと思います。そこで疑問が湧きまして、そもそも消極的なCSRって意味があるのか?と。

そうなんです。消極的なCSRというものをCSRと呼んでしまうから問題なんではないかと。それは単なる法令遵守。上場企業であれば、上場要件に過ぎないのではないかと。そこをCSRにと言わせてしまうことに問題があるんではないかと思っています。それは自社が今現在事業を行うためにどうしてもやらなければいけないことであって、それをCSRと呼ぶには程遠いのではないかと。

CSRとは企業の社会的責任のことを指し、法律を守るレベルや税金を払うレベルの社会的な責任のことは社会的責任とは呼ばないのではないかと。そうなると守りのCSRを否定しているわけですから、攻めのCSRしかCSRと呼ばないということになります。攻めのCSRを実行するためには、まずは自社の成り立ちに合う、自社の企業文化にあった、自社でしか出来ないCSR方針をつくることからはじまります。その方針を企業全体にしっかり浸透させ行動を変化させること。これがCSRの第一歩ではないかと思っています。

来年以降益々CSRは世の中に浸透していきます。その時にグローバルスタンダードで考え、戦略的なCSRを実行する企業が競争優位を築くことができます。今一度自社のCSR方針の確認、自社のCSR方針の組立を行うことで、本物のCSRを実行してください。