昨年来アマゾンがファッションカテゴリに力を入れている。一方で年末に日本のファッションネット通販の雄であるZOZOが大々的なTVCMを打つなどファッションにまつわるネット通販の競争が激化している。まあ、無論楽天の中ではファッションカテゴリの店舗がひしめいている状況はここ8年位継続的に変わってはいない。楽天のポジショニングはアマゾンやZOZOのそれとは異なるので、今回はちょっと横においておく。

私は個人的にアマゾンがZOZOに打ち勝つと思っている。それが明白になる時期はちょっと先かもしれない。その理由は単純で、マーケティングを垂直統合しているか?水平統合しているか?の点である。

■今回の現状
ZOZOはそもそもビームスやUAなどのセレクトショップやポーターなどの若者に人気のファッションブランドをぐっと集めてインターネット上に理想のショッピングモールを構築していった。彼らの顧客はセンスがいい、ファッションの鮮度に敏感な、顧客層である。ファッションのエッジの部分に反応する顧客層からそれに追随する顧客層までがメインの顧客層になる。

一方アマゾンの顧客層はフルラインである。もともと本から入ってDVDやCDそして家電と展開していったために、ある特定の産業の特定の顧客層などに特化した戦略はとってきていない。マスをターゲットにした商売である。今回はマスをカバーしながらも、ファッションに敏感な層も取り込んでいっていった。

■マーケティングの点と面の激突
今回の競争は点と面の衝突だと思っています。ZOZOはファッションの感度が高い層を中心とした集中型で1点突破。アマゾンはファッションというカテゴリ全体での戦略。局部戦ではZOZOが勝つ可能性はある。しかしながら、問題としては顧客のライフスタイルの変化だと思っています。顧客のファッション感度は鈍る。もしくはファッションにお金をかけられなくなる局面もある。そういう時はどうなるか?ZOZOが押してきた点から顧客が面に流れていくことになる。ネット通販は使いやすいと思うまで育てた顧客が他に流れることになる。その時の受け皿がアマゾンになるのではないかと思っています。

それでもZOZOは負けない戦略を組み立てることができます。難しい環境や局面に差し掛かっている事業主さまは御気兼ねなく、ご連絡ください。私ができることは全て実践させていただきます。よろしくお願いいたします。