マーケティング近視眼と事業再構築とCSR

マーケティング近視眼という言葉をご存知でしょうか?ハーバード大学の教授であったレビット博士がハーバード・ビジネス・レビューに投稿した論文の中で発表した言葉です。レビット博士は顧客は商品を購入しているのではなく、商品から得られる便益を購入しているのだ。という説明と共に商品の機能に着眼することで失敗してしまった企業および産業の事例を説明しています。例えば、

「顧客はドリルを買いたいのではない。彼らがほしいのは穴である」

米国鉄道会社の失敗
自動車や航空機などの新たな輸送手段の出現で、立場をとって変わられた鉄道会社は自らの使命を、「人や物を目的地に運ぶこと」と定義しないで、出発地点から目的地点へ車両を動かすことを自らの使命と定義し失敗した。

米国映画業界の失敗
映画業界は自らを映画製作会社と定義してしまい、自らをエンターテインメント産業だという認識・定義をしなかったことで後発のテレビに対して差別化できなく失敗した。

20年も30年も同じ産業で同じ業種で同じ業務を続けると、自社の事業に対してどんどん目が近づいてくる。それは不可避なのではないかと私も個人的には思う。特に社会インフラに近い産業であれば近いほど自社事業に対して近視眼的になっていく。でも、世の中は20年そして30年動き続ける。新しい産業も出来上がる。新しい需要も生まれる。自社事業も新しい役回りが必要になっているはずなのに、それに気が付かず近視眼的に事業を継続する。今一度自社事業をふっと離れて遠くから見てはどうだろうか?

その時に自社事業のドメインは広く取れないか?
その時に自社事業の社会的使命はかわらないか?
その時に自社のCSRも切り口もかわらないか?
その時に投資家に対するアプローチもかわらないか?

例えば前述の鉄道。最近モーダルシフトと呼ばれて盛んに盛り上がっているが、それだけでいいのか?鉄道は夢を運んでいないのか?その夢はどんなかたちなのか?それが社会的使命でCSRで新規事業につながらないのか?

今一度少し離れて自社事業を見つめなおしてはどうだろうか?

これを読まれてそうだな。少し離れて見てみようと思われた方は御気兼ねなく御相談くださいませ。中にいると見難い自社事業を外の立場から斬新に見て皆さんに「!」「それがあったか!」をご提供します。