IT企業にとってのCSRって何でしょうか?自分がIT関連の企業にいたこともあり、ずーっと懸念の1つでした。自分でもそれを整理することが出来ずにいる時期がありました。情報産業と環境?情報産業と社会?これってなんでしょうか?そこで今回はIT企業のCSRについてフラッシュアイデアで考察を加えてみます。

■ステークホルダーを起点にCSRを考える
IT企業にとってのステークホルダーとはなんでしょうか?以下の様なものが考えられます。
1.パートナー・ベンダー
ビジネスパートナーとより良い社会構築と今後の当該企業の持続発展可能性を構築する取り組みができるのか?

1)情報提供パートナー
より適正で社会に貢献度の高い情報を集めることができるのか?どういうコンプライアンス体制があれば、お互い健全な情報を提供できるのか?を共に築きあげる体制など

2)開発関連パートナー
より良い、より効率の良い開発を行うことができるのか?人材育成サポートから技術サポートまで開発パートナーがより良い開発環境を築くことができる支援を行う体制など
※COCなどの基準の制定など

3)協業パートナー
経済生産性のみの追求でコラボレーションパートナーを選定しないなどのパートナー選定基準の公開と取り組み事例など

2.オーディエンス・ユーザー
ITサービスを利用するユーザーに対して配慮し、ユーザーが不利益を被らないサービス提供をしているか?ユーザーが利用することで社会的な利益を生むことが出来るのか?

1)一般ユーザー
どういったサービスポリシーでどういった配慮を全般的におこなっているのか?

2)若年ユーザー
未成年者にとって害のあるサービスを提供しないようにどのような取り組みをしているのか?

3)高齢者ユーザー
高齢者に対して配慮をおこなっているのか?理解し難いことやわかりにくいサービスを避け、より住みやすい高齢化社会を構築できるようなサービスを提供しているのか?

3.インフラストラクチャ
IT基盤となる情報インフラに対して配慮はしているのか?ムダに膨大なデータを創りだしていないか?より効率の良い、わかりやすい情報化社会構築に貢献しているのか?

1)回線
より効率のよいネットワークで、より小さいデータで顧客に有用なサービスを取り組むように努力しているか?

2)メディア
より多くの人が触れることができるような仕組みをつくっているか?どういう基準でどういう配慮をしているか?

4.環境
ITとはいえども地球市民。膨大な情報量を使い、大規模データセンターを利用して、多くの電力を消費しているIT企業としてどういうことができるのか考えて取り組んでいるのか?環境方針を持って取り組みをしているか?

1)CO2排出対応
CO2排出量を明確にしているか?カーボンフットプリントなどを明確にしているか?
カーボンオフセットなどの取り組みをしているか?
※節電などはここでは除外したい。

2)生物多様性
水・森・海など生物多様性の維持活動に対して何か取り組みを行なっているか?

3)そもそも環境問題を自社の問題と考えているか?
IT企業だから環境破壊していないと考えるのではなく、環境方針を持って環境経営に取り組んでいるのか?

■世界中の投資家から注目されている日本のIT企業
毎年毎年、海外の投資家から日本のIT企業に関する質問を受けます。これだけ投資家から注目を浴びているのにもかかわらず、日本のIT企業のCSRは脆弱です。もし、ホームページに記載している内容で海外の投資家に対してロードショーを行なっているとしたらとても恥ずかしいですし、投資を受ける機会を損失しているとしか言い用がありません。

IT企業の方でCSR活動の方向性など悩まれている企業の方がいらっしゃいましたら、御気兼ねなく御相談くださいませ。