CSRの原因と結果

4月です。多くの企業が新年度に入り、CSR部門にも多くの新人の方が配属されたのではないでしょうか?CSR部門において、なにが大切なんでしょうか?私は「大きな絵」だと思っています。大きな絵というのはCSRをプランニングする上でのコンセプトやビジョンに当たる部分の規模感を言っています。旗は出来る限り、高く、大きい物をまずは用意しましょう。素晴らしい御旗がどのような結果を招くのでしょうか?

■原因と結果

原因があり、結果が有る。これは誰にも変えられない事実。
・勉強しなかったから、テストでいい結果が残せなかった。
・営業努力を怠ったから、売上げが落ちた。

■CSRでの原因と結果

1)守りのCSRの原因と結果

これを守りのCSR的な観点で考えるとこうなる。
原因⇒結果
・環境配慮をしなかったから、環境破壊をした。
・従業員に過剰な労働を強いたために、従業員が体調を崩した。
・コスト追求したために、児童労働者が働く工場に業務委託していた。
・社内の倫理が乱れていたため、女性従業員がセクハラを受けた。
これら自体がまた原因になり、
報道される⇒社会的評価が落ちる⇒営業面に影響⇒株価に影響
最低限の企業としてのリスクマネジメントが出来ていないことが、会社の価値を落とすことになる。

2)攻めのCSRの原因と結果

これを攻めのCSRで考えるとどうか?
原因⇒結果
・環境負荷を低減しようと技術開発をおこなったら、技術革新ができた。
・従業員が生き生き働ける職場環境をつくったら、生産性があがった。
・COC遵守した取引先選定をしたら、クオリティの高い製品がつくれた。
・女性のスキルを評価し役員登用したら、より消費者目線の経営ができた。
これら自体がまた原因になり
ステークホルダーからの評価があがる⇒営業面に影響⇒株価に影響
この図式がもっとも望ましいCSRの姿であろうと思われる。

■大きなコンセプト・ビジョンは大きな結果を導く

ここで重要なのは「結果」をどこまでイメージできるか?「結果」=「目標」=「ヴィジョン」である。大きなコンセプトを大風呂敷でまずは描くことができないCSRは消極的なCSRになってしまい、ダイナミックな原因=アクションもおこすことはできませ。ダイナミックなアクションができないと結果も小さいものになります。結果が小さいものに企業としては継続投資することは難しいので、毎年資源配分が減っていく可能性さえあります。逆に大きなコンセプト・ビジョンはアクションをダイナミックにさせ、結果もダイナミックなものにしていきます。年度初め、まずはダイナミックにCSRの大風呂敷を広げてみませんか?