最近目立つCSRが目を引いています。でも、それってCSRを語った商品広告だったり企業広告だったりします。では、何がCSRと企業広告に違いがあるのか?について考えました。個人的には良いことをしていることを隠す必要性はありませんし、企業広告はやるべきだと思います。

CSRというのはそもそも、その企業が持続運営するために必要な社会環境・自然環境を企業が率先してステークホルダーと共に作ることにあります。「ステークホルダーと共に自社が明確にしたスタンスで作る。」そのステークホルダーというのは、株主・潜在投資家・従業員・サプライヤー・業界・自然環境・地域社会そして顧客など企業を取り巻く環境の中でとりわけ事業継続に関係する相手を指します。
同時にステークホルダーに対して出来ていることと出来ていないことをフラットに開示する必要性があります。これは誠実にステークホルダーに向き合う姿勢を示します。いいことだけを開示してしまうと結果的にステークホルダーに対して誤認をさせてしまうことがあるからです。

一方企業広告は「誤認」や「誠実に向き合う」などという言葉は必要ありません。企業広告は顧客に対してのアピールであり、顧客のファン化です。コーズ・リレーテッド・マーケティングやエシカル・マーケティングはソーシャルなテイストがある広告ということになります。企業のCSRに対する姿勢や方針などは度外視でいいのだと思います。ステークホルダーである顧客と対話などは必要なく、一方的に企業が実施したいいことを知らせることが重要になります。より多くの顧客や潜在顧客に対して自社の実施した「社会的にいいこと」を知らせることが重要になります。

整理すると以下のようになります。

CSR
方針をベースに行動が出来上がる
可能な限り多くのステークホルダーと共に
いいことも悪いことも開示

ソーシャルな企業広告
方針必要なし
顧客にむけて発信
実施したいいことだけを開示

ソーシャルな企業広告もCSRもやらないよりは、ソーシャルな企業広告だけでもやるべきだとは思います。ただし、その時はCSRという文言が使わないほうがいいかと思っています。何故ならば、企業の社会に対する責任性が何であるか?が明確ではないからです。ただし、その方針が明確になり、その他のステークホルダーに対しての行動やコミュニケーションが出来ればCSRになっていきます。そこが出来るまでは「社会・環境報告」というような名称が的確かと思います。

企業広告の適切な表現やCSRにのスタートアップにお悩みの企業様は御気兼ねなく御相談くださいませ。