ステークホルダーダイアログを開催しました。という記事をたまに目にする。実際に読んでみると、あれ?これってステークホルダーダイアログなの?って感じがする。その理由はステークホルダーダイアログが有識者からの助言会になっているケースが多いからだ。それはダイアログ=対話ではなく、有識者からの説教会でしかない。では、本来ステークホルダーダイアログとは何なのか?

ISO26000では、「ステークホルダーの特定およびステークホルダー・エンゲージメントは、組織の社会的責任の取り組みの中心である」としています。特定したステークホルダーに対して対話形式で具体的な論点を設定して、継続的に行うことを言います。

そのためにはまずは
1.ステークホルダーグループの特定
2.各グループの詳細を記載
3.各グループのエンゲージメントを含めたステータスを分析
4.各グループをマッピングに落としこむ
5.その上で対話を行い、フィードバックなどを行う
6.次年度は3から5をPDCAで回す。
というステップが必要になります。

何故、有識者説教会を行うのか?CSR部門に力がなく、有識者を社内に招聘し、自社のTOPやCSRのTOPそして役員などにCSRがなんたるか?を説明してもらったりしている。もしくは、御社のCSRは素晴らしい!とKISS ASSを公開でやらせている可能性もある。

昔から良く良薬は口に苦いと言う。心地の良い言葉でCSRを持ち上げても本当にその企業が本質的に変わることはない。有識者説教会を行うのであれば、圧力団体による圧迫面談を受けたほうが企業のTOPは危機を感じるだろう。そのほうが本質的に企業がC本腰を入れてCSRに取り組み近道なのかもしれない。

有識者説教会を1度行うコストを考えれば、本当にするべきステークホルダーダイアログを3回行ったほうが意味がある。説教を受けるだけの会議よりも前進する対話のほうが100倍意味があるからだ。もう、有識者説教会をステークホルダーダイアログという名称でリリースを出すのはやめてほしいと本当に願う。