2012年の夏ごろnaverのラインをスマートフォンにインストールした。ご存知の通りラインはインストールするとあれよあれよという間に電話帳から情報を抜き出し、その情報をライン側のデータベースに引き当てる。引き当てて、電話帳に存在する人をラインの連絡帳に表示していく。その中であれ?これって誰だっけ?という人が表示される。そのうち何人か、誰だっけという人に連絡をしたことがある。一人は10年くらい連絡していなかったデザイナーさん。10年たっても変わらず、才能あふれる方だった。もう一人はエステサロンのオーナーだった。

エステサロンのオーナーと言えども元々は、オーナーの方ではなかった。2010年にエステサロンの経営に、M&Aを通じて携わったことがある。その時のスタッフで事実上私がリストラをした従業員だった。リストラをしたものの、元々年も近いことや、関西出身ということや、それまで苦労していらっしゃった方だったので悪気なく連絡をしてみた。当時の致し方ない事情などを色々と話、その方が現在運営されているエステも見せていただいたり、経営状況などについて相談に乗らさせていただいた。

秋口から連絡がぷっつり途絶え、年末になり連絡してみると経営状況があまりよくないということだった。相談にノリがてらエステでもしてもらうか?という軽い気持ちで予約をいれるよーと話をした。しかし、年末に入りなんだか忙しくなっているようで予約がうまくいれられなかった。

本当に年の瀬が近づき、年末にお邪魔することができた。話を聞くと、年末に入り初心戻り施術方法も変えたところ顧客に喜んでいただいているというのだ。あれほど予約も無いし暇だといっていたのが、数週間前。数週間後には開店から閉店まで予約で埋まっている状態だった。施術の方法を変えるだけでそこまで劇的に予約状況は変わるはずがない。何が起こったのかと思った。

理由は簡単だった。オーナーであり、施術者のかたの気持ちが大きく変わっていた。エステはご存知かもしれないが、数百万円の機器を導入して、その機械をつかって施術する。しかしながら、機械による施術は所詮機器の力でしか無い。そのオーナーは気持ちをいれて、来店した人が少しでも楽になってくれるように、施術が終わったら「最高だった」「楽になった」「綺麗になった」と言ってくれるように気持ちを入れて手でマッサージするコースを主たるサービスに戻した。元々腰や手首の調子がよくないので機械をつかっていたのだが、それよりもお客様第一主義にサービスのあり方をシフトしたらしい。

その姿勢というものはお客様に簡単に伝わるものだったようだ。来るお客様来るお客様、全てありがとう、気持良かった、楽になったと言って帰り、また次の予約を入れているようだった。サービスのあり方の基本である、顧客のことを考える、顧客のための仕事をするという姿勢が売上げに直結した素晴らしい事例にあった2012年の年末だった。