私自身、広島の山奥の山間部で生まれ育ったこともあり、地域活性の話を考えると胸が痛いです。なぜ胸が痛いのか?今こうして広島の山を抜け出て関東平野に移り住んでいるからです。現在の日本の過疎化の問題は人口問題以外に何もないからです。もし、生まれ育った場所を捨てず皆が生まれ育った場所で生活していれば今起こっている問題は無かったはずです。人は中央に憧れ、中央に集まり、周辺は廃れいく。そんなことを語っている政治経済論なんていうものもあります。さて、とはいえどもノスタルジーに浸っていても問題は解決されるはずもありません。現在の地域の過疎化に端を発した現在の地域の問題について考えて見ます。

1.問題の構造
高度成長期に都会に職を求めて多くの人が都市部に向かいました。これを皮切りに農村部では人口が減少。地方都市の経済基盤となっていた周辺農村部の人口が減少することで、地方都市の経済が停滞し、地方都市からも人口が都市部に向けて流出。人口が流出することで行政の財政も悪化。地方都市の商店街は崩壊し、郊外のショッピングセンターにその機能を譲る形になる。ショッピングセンターは画一的な文化の伝播地として複数の農村部や地方都市をまたぎ集客を行うパワーセンターとなり、サービスを提供するも、当該地区にたいして十分な職を提供することはできていない。

2.地方が解決しないといけない問題
問題は人が働ける職があるかどうかが地域活性化の鍵になる。地域活性を村おこし、町おこし的なアプローチで考えると一過性の解決になり、ある一定期間資本が当該地区に流入するだけになる。構造的に問題を解決しないと抜本的な問題解決にはならない。人がいないのに職は生まれない。職が生まれないのに、人が集まらない。という負のスパイラルを絶つことが最大の課題になる。こうなると卵が先か?ひよこが先か?という問題になってしまい、問題を解決せず、議論だけが進んで行動が進まない状態になる。

3.地域活性の鍵
そこで地域活性の鍵は何なのか?を私なりに考えた結果として、コンテンツ=「ストーリーへの参加」以外にないのではないかと思っています。その地域の文化・伝統・人にフォーカスし、そこにストーリーを作り、そのストーリーを機軸に都市部から人を集める。それらコンテンツは地域・地方によって異なるものであるべきです。私のふるさとの広島県安芸高田市では最近「神楽」というコンテンツを使い人を集めることに注力をしていますが、残念ながら集めるところで終わってしまっています。コンテンツを配信するだけでなく、そのコンテンツに人を参加させることで構造的に人を集めることができるようになります。

4.国内だけで問題を解決しないこと
地域活性の鍵が人口であったり、人を集めるということであったときに、課題は国内人口の減少についても考えていかなければいけません。国内向けだけの情報発信では、本質的な構造課題解決にはつながりません。海外にたいして積極的に情報を発信し、海外から人を集めるということをしないといけません。ただ、海外に文化交流名目で人を派遣しても何の解決にもなりません。英文のホームページ、英文のFacebook、英文のTwitter、外国人報道記者向けのツアーなど積極的に海外から人を集める努力が必要になります。

ストーリーへ参加が可能なコンテンツづくりという難題を乗り越えてこそ、地域活性化は完了するのではないかと思います。コンテンツづくりをしてみたい地方公共団体のみなさま、お気兼ねなくご相談くださいませ。