こんな事例がありました。

フォード·モーター·コーポレーションが、その他の自動車メーカー競合他社との差別化ができる方法のアドバイスを水平思考の概念を広めたエドワード・デ・ボーノ博士に尋ねた。デ・ボーノ博士は彼らに非常に革新的なアイデアを与えた。

フォードは自動車メーカーの視点から競合の問題をアプローチしていて、「消費者にとって自分たちのクルマをより魅力的にするか?」という課題をもっていた。デ・ボーノ博士は別の方向から問題にアプローチし、「フォードの顧客のために、ドライビング体験をより良いものにするにはどうすればいいか?」という課題に組み替えた、

彼のアドバイスはフォードが主要な都市の中心部に駐車場を買い占め、フォード車だけ駐車場を使用できるようにするべきだと提案しました。もっともフォードは自らの事業領域から駐車場経営は違うということで提案を却下しました。

並行思考から生まれた考えなのですが、今ある課題の見方を変えるだけでこんなに違うアプローチができます。競合戦略にのみ目が行きがちな、市場で顧客の便益に対して集中した考え方を作ることが今の世の中に求められていることなのかもしれません。

他社よりも選ばれるお店になりたい。

よりも

お客様が一番快適に利用できるお店になる。

というアプローチ。でも、その解決方法が他社よりも良いサービスではなく、顧客にとって本当の意味で便益を与えられるサービスで解決することが求められます。その答えを出した企業がその産業でNO1企業になるのではないかと思います。今一度誰にどういうバリューを提供できているのか考えてみましょう。