ノマドっていう言葉は響きがいいですよね。遊牧民です。大草原を動き、狩猟したり、遊牧したりして移動しながら生活をしていきます。古来より日本社会はムラを中心とした共同体を形成し、農業を営む生活スタイルの農耕民族でした。時間や場所に囚われない働き方に対する羨望があったのかもしれません。しかし、そういう何にも囚われない働き方、生き方に脊髄反射的に盲信的に進む若い方が増えていると言われています。

ノマドワーカーというワークスタイルはIT技術の革新に伴い、場所や時間に囚われず、色々な空間で仕事をする人たちのことを指していました。そこから色々な論者が生まれ、組織にも囚われない生き方、働き方という拡張解釈も含んだ意味合いになりました。多分そのへんで社会学者の論者が出てきて、冷静な指摘を早い段階ですればよかったのではないかと思います。

前述のとおり、日本社会は農耕民族の働き方を徹底し、洗練された究極のムラ社会です。共同体への貢献度合いに対して見返りがもらえる仕組みになっています。ムラから外れているモノに対しては「流れ者」「浮遊民」という言葉で特殊な仕事を与え、「スケープゴート」化することで、ムラの結束を高めてきました。日本社会が特別なのか?というとそんなことはなく、古来日本以外の国でも「流れ者」や「浮遊民」に対しては同様な役割を与える傾向がありました。

では、ノマド国家だった蒙古などはどうか?ノマドとして生計をたてる国民に対して、バックオフィス的な官僚組織があり、組織化されていました。ノマドは働き方で国という組織はストック型で形成がされていたのです。

さて、昨今の若者のノマド信奉はどう考えるべきか?社会の構造を見据えず、若さだけで突っ走っている感があります。でも、人生はドラマではありません。ハッピーエンドもない。区切りもない。人生自体が時間にも空間にも囚われない旅です。ノマドなのは精神面だけでいいのではないかと思ってしまいます。もし本当にノマドに憧れるのであれば、ノマドな組織をつくる位の気概が欲しいものだと思います。とノマドが喫茶店からつぶやかせていただきました。

 

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