CSRの課題の一つとして、社内での浸透度というものがある。社内で浸透しないCSRに意味が無いのか?というとそれはそれで意味があるのかもしれない。浸透していなくてもGRIで網羅性の高い情報が開示できていればいいし、ISO26000でも網羅性の高い情報が開示できていればいい。しかしながら、情報開示することだけがCSRのいいところではない。CSRのいいところは企業理念から流れるその会社の文化を社会のニーズとすり合わせるツールになるところだ。

CSRがうまく浸透できれば
1.業務パフォーマンスが向上する
2.社会ニーズに応えることができるようになる
3.社員のモチベーションを向上することができる
ざっくりだが、こんなことが言える。そもそもその企業の企業理念がぶれていたり、企業文化が脆弱な場合はどれも期待できない可能性があることを留意しておきたい。しかし、数十年法人格をもって動いている企業には文化が存在しているので、そうそう上記のような状況は起こらないものだと思っている。

社内浸透度を計測する上で気をつけたいのが、表層的にはわかりにくい相互の関係性になる。どの部署とどの部署がどう業務でかかわっているのか?どこが意思決定をおこなっているのか?CSRの命令系統はどこの部署がどう担当して関わっているのか?この点がはっきりしていない場合において真の浸透度の調査は難しい。表層的なデータで紐解けるものとそうでないものがある。そもそも質的な調査と量的な調査が存在するが、私の仕事は量的な調査を裏付ける質的な調査が主たるものになる。

当該組織のどこの部署がボトルネックになっているのか?どの部署が最も機能してCSRを浸透させているのか?どの職位が、どの年代が、どの事業所がどう相互に関係しているのかを紐解くことが私の仕事になる。