堀貞一郎先生は人を集めるためには、人を惹きつけるストーリーが必要だと言っていた。実際に先生は最上川ものがたり、多治見ものがたりという現代の民話をつくられて、その民話を軸に集客をしようとされていた。先生は人生は飛行機のようなもので、青年期に離陸した飛行機は晩年ゆっくりと着陸しなきゃいけないとおっしゃりながら、晩年まで色々なことを着想していらっしゃった。ただし、先生が地方創生、地方集客をスタートされようとしていた時には70をゆうに超えられていて、現場に入り込んでご自分のイメージされる地方創生を100%実現することはされていなかった。

堀先生のアプローチはこうだった。

1.マーケティング分析
当該地区の周辺人口
当該地区への大都市部からのアクセス
当該地区でのランドオペレーターの実績
今後の人口増大の可能性分析
今後の交通システムの変更の可能性確認
ランドオペレーターによる当該地区の観光の可能性

2.ものがたりづくり
当該地区の地形確認
当該地区の伝説・伝承確認
当該地区周辺の伝説・伝承確認
これまでのシンボルなどの確認
上記の確認をしながら、コンセプトを考え実存するストーリーを重ね、透かし、ものがたりを紡ぐ。中文や英文に翻訳が可能であればそれを実施する。

ここまでが先生が受けられていた仕事だった。本当ならば以下の項目がその後に控えていたはずなのだ。

3.ものづくり
ものがたりに連動する食べ物
ものがたりに連動するぬいぐるみ
ものがたりに連動するおみやげ類

4.場所づくり
ものがたりに出てくる場所へのサイン掲示
ものがたりに出てくる場所の整備
ものがたりに出てくる場所での撮影などへの配慮

5.ひとを集める
口コミの誘発
メディアを活用した話題作り
海外メディアへの働きかけ

これらのことは、先生の弟子が皆意識して今後も行わなければいけないことなのではないかと思う。最上川そして多治見だってまだまだ先生ができていないことがたくさんあるのではないかと思う。できることならば、そのあたり再考し再構築していくべきなのではないかと思う。