ネット通販の関連の業務を行っていると、ふと気になることがある。それは、ちゃんとお客様のことを考えているか?ということだ。ただ、カスタマーケアの話ではない。顧客のユーザーエクスペリエンス、ユーザーとして情報を見たときに見易いかどうか?という問題のことを言っている。

顧客によかれと思い多すぎる情報を提供していないか?
スマートフォンを無視した画像を提供していないか?
カタログのような画像だけの味気ない情報を提供していないか?

顧客がどのようにページを見て、どのように行動しているか?については、各種分析ツールを注意深く見ていれば多くのことがわかるし、仮説を立てることも可能である。顧客を見ないで、お客様のことを考えているとは言い難い。

これ一般的なビジネスにおいても同様である。あなたが営業マンで商品をメールやFAXそして対面で説明したとき、どの方法で行うと何%の成約率になっているだろうか?その成約率に基づき仮説を立てて科学的に営業にアプローチしているだろうか?

もう一方の気になることは、商品の声を聞いているかどうかだ。今や世の中はマーケティング中心。お客様さえ見ていればいいような風潮にある。しかしながら、ヒット商品は顧客中心主義からは生まれない。常にニーズの元になるシーズの段階で顧客のハートを鷲掴みにするようなプロダクトでないとメガヒットはうまれない。ではどの様にすれば、そのシーズがつかめるのか?

それは商品の声を聞くことだ。商品ひとつひとつには作り手がおり、それぞれ相当な工数をかけて作られている。作り手は売れない商品を無駄に創ることはない。売れない商品ではなく、売ってもらえない商品をつくっている。言い換えれば、売り手が作り手の意図が分かり難い商品が売れない商品になる。売り手はより商品と向き合い、対峙し、商品のコンセプトを読み取り、メリットを引き出す必要性がある。勿論、作り手は売り手が理解しやすい説明を行う必要があるし、あえて説明が必要な商品はマスマーケットにはリリースすべきではないのかもしれない。

これもネットだけにとらわれた話ではない。常に作り手の声を、商品の声を正しく聞くことが出来るビジネスマンは営業成績がいいだろうし、結果も残していくことができるだろう。ビジネスはどのようなものでも、常に対話をし続けること、よく聞くことが特に求められることなのかもしれなう。