インターネットでお買い物ができるようになって、長くなってきた。日々色々なお買い物がインターネットでなされている。一見便利になったように思える。一見買い物が変わったように思える。しかしながら、人間の消費行動は基本的には変わらない。

1.安全欲求や生理的欲求に働きかける消費

生活をおくり、生活に課題を見つける、問題点を見つける。これを適当な経済的な対価を支払って解決できるものやサービスがあるか探す。そのものやサービスから受けられる恩恵が経済的対価に見合っているかどうか検討する。合っていれば、その商品を購入する。例えば、日用品、薬、健康食品などがこれにあたる。

2.承認欲求や所有欲求に働きかける消費

趣味趣向性が高い商品、その商品やサービスを所有すること自体が目的となる商品の場合は上記の消費と異なる。趣味趣向性が高い商品情報に触れ、その商品が欲しくなるというものだ。例えばブランド関連商品やCD、DVDなどアーティストの商品がこれにあたる。

これらの消費行動がインターネットに置き換わっているだけだ。この時、普段お店でお買い物をする時に阻害要因になる。実際のお店の課題をネット通販店舗の課題として確認してみる。

1.バリアフリー対応

高齢者や外国人対応が充分になされていないお店は、今後はリアル店舗でも厳しいようにインターネットでも同様。カラーユニバーサル対応、読み上げソフト対応、文字の大きさの変更対応そして多言語対応などがネットのお店では考えられるだろう。

2.わかりにくい陳列

お店に入ったはいいが、大きな店舗で自分が探している商品が見つからないという経験はありませんか?雰囲気やイメージを優先した陳列を行っているお店によくあることですが、ネット店でもありえます。カテゴリが適正かどうか?今注目の商品が紹介されているかどうか?

3.店員が見つからない

買い物をする時に困ってしまい、店員さんを探しても店員さんが見つからないことはないですか?ネットの店ではカスタマーケア窓口として、LINEやスカイプやメールアドレスそして電話番号の開示がされていないと顧客は相談さえもできません。

4.商品説明がなされない

商品のセールスポイントなどが明記されていない。例えば家電量販店に行ったとして、サイズスペックは多少なりとも書かれています。PCならばCPUやHDなど最低限のことは書いてあります。ネット通販のお店でも、商品指名買いだったとしても書いてないと不安になりませんか?

5.接客しない

お店に入っていらっしゃいませも言わないお店があります。そういう方針なのでしょうが、挨拶くらいしようよと思います。ネットではどうでしょうか?通販のサイトではないですが、ドゥバイの空港のウェブサイトを閲覧してトップページに滞在しているとチャットで話しかけられます。ネット通販でそこまでできないとしても、初回訪問者に対してのアプローチはなにかできるはずです。

6.入り口がわからない

お店への入り口がわからない。そんなお店なかなか無いですが、どこから入っていいのかわからないお店があれば嫌ですよね。ネット通販ではこんなことがよくあります。検索にもヒットしない、広告も掲載していない。お店のかたのメールフッターにも名刺にも掲載されていない。そんなことがよくあります。

7.店前が汚い

ショッピングモールを歩くとわかるのですが、一流のショッピングモールはお店の並びに相当配慮されています。お店同士も競いあうようにヴィジュアルマーチャンダイジングを行いますので、通路が非常に綺麗です。ネット通販のヴィジュアルマーチャンダイジングはトップページや各ランディングページにあたります。これらのページを綺麗にわかりやすく魅力的にできていないとお店が汚いという評価になってしまいます。

8.購入後のカスタマーケアがない

購入後のアフターフォローで商品を買うか、買わないかを決める人たちもいます。購入後に商品が壊れたりしたときの保証を実際の店舗では、レシート持参で返品交換可能としている場合も多いです。ネット店でもカスタマーケアは重要なポイントに成ります。メールマガジンを活用したアフターフォロー、ウェブサイト上での告知、会員ログイン時の告知顧客との接点全てを活用したカスタマーケアが求められます。

軽く書いてみても、実際の店舗課題とネット通販の課題とはオーバーラップしているものが多いことがよくわかる。商売の本質は変わらない。変わるのはチャネルだけだ。今後オムニチャネル化が進んだとしても、これらは変わることはないだろう。では商売の本質とはなんだろうか?諸説あるのだが、高島屋 店則がこの辺をうまく表現されている。

一、確実なる品を廉価にて販売し、自他の利益を図るべし

一、正札掛値なし

一、商品の良否は、明らかに之を顧客に告げ、一点の虚偽あるべからず

一、顧客の待遇を平等にし、苟も貧富貴賤に依りて差等を附すべからず

ネットだろうがオムニチャネルだろうがなんだろうが、ここがブレることは無いのではないか?今一度商売の根っこを見つめなおし、根幹を強化してみませんか?