CSRは社会にいい事である。と思っている人が多いのかもしれない。それは結果として社会にいい事をしているのであって、企業側から考えると違う。CSRの本質はステークホルダーと共生し、企業を持続的発展もしくは持続させることにあると私は考えている。重要なのはステークホルダーと共に歩むことである。ステークホルダーと良好な関係性を維持することが、結果として社会に貢献することになる。

例えば地域社会。当該企業が事業を営む地区、地域において地域社会と良好な関係を維持することで持続的に事業展開が可能になる。リスク管理の面から考えても地域社会からの反対運動などを避ける効果もある。反面良好な関係を維持することで、地域の優秀な人材を雇用することさえできる。社会貢献のためだけにCSRを行うことは営利組織である企業にとっては不可能にちかい。ただし、活動の結果は当事者間から離れた第三者的な目線で見ると社会貢献をしているように見える。

ステークホルダーと良好な関係を保つことが、企業を存続させ、成長させることにつながるということを理解するとCSRは戦略的な色合いが出てくると同時に企業内へ浸透させることがより容易になってくる。CSRの社内浸透はCSR推進を行う部門にとっては大きな課題ではある。ただし、CSRを推進するために社員が参加できる社会貢献をむやみに増やしたり、参加率をたかめることが、真のCSR推進にはつながらない。

真のCSR推進はどうやれば企業が存続できるのかを社員それぞれが考えた時にはじめて生まれるものではないかと思う。付け刃的に仕組みを用意しても、本質的にCSR実施理由を考えていない場合はCSRは推進し末端社員まで浸透することはなかなか難しい。CSR=ステークホルダーとの良好な関係づくりと考えていない、CSR=社会貢献と考えている恐ろしく浅はかなCSRコンサルタントが実は増えつつ有ることに危惧を覚えたので今回はCSR≠社会貢献という題材で書いてみました。