特定の企業について悪くいうのは褒められたことでもないので伏せて書きます。あるテレビ会社さんがCSRにとても力をいれていらっしゃいました。テレビ会社には珍しくCSRについてのホームページを早くから設置されたり、推進体制を組成したりされていました。しかし、ステイクホルダーについては何も言及されていませんでした。社会に報道したことを伝えるのがCSRなんだと伝えていました。本業=CSRっていうアプローチ悪くはないんですが、各ステイクホルダーに対して本業がどう影響するかを訴える必要はあると思っていました。

すると最近になって、出演者いじめがあるという報道がされました。その後製作会社に対する支払いが少ないという報道がされました。何が起こったのでしょうか?考えられるのは飾りとしてのCSRを推進していたということが考えられます。非常に残念ですがCSR自体をただしく理解せず、PRの部分や事業戦略の部分だけを取り上げた形でCSRを推進してしまっていたことが影響していたのではないかと思われます。

今回の争点は従業員≠従業者ということです。テレビ業界で番組制作をするのはテレビ局の人ではなく多くが製作会社の方が行われています。従業者は多いのですが、従業員はそこまで多く関わっていないということになります。しかし、現実問題としては従業者はみなし従業員です。その場合は本来的には製作会社の方への応対も従業員としてのステイクホルダーとして捉えるべきです。もし、製作会社への対応を外部としてとらえた場合は「公正な事業慣行、公正な取引」をおこなう取引先というステイクホルダーとして捉えるべきです。

自由な形でCSRを行うこと。CSRをPRの一貫として行うこと。これに罪はありませんし、CSRを推進する入り口としてはあるべきだと思います。ただし、重要なのは基本のフレイムワークからずれないこと。基本のフレームワークとは
ガバナンス
人権
従業員
取引先
消費者
環境
社会
この6つの項目については、それぞれ方針などをしっかり固めておく必要があります。それができていない時に、大きくPRしてしまった後で今回の様にネガティブな報道がなされてしまうとCSRをしていなかった、CSRを軽んじていたなどという印象を持たれてしまいます。CSRをおこなったことが逆にリスクになる可能性さえあります。

基本しっかり表現自由

CSRはそういうステージに入っています。